用語解説

重ね継手
重ね継手（かさねけいしゅ）は、水道工事や配管工事において使用される継手の一種であり、パイプ同士を重ねて接続するための装置です。この継手は、水道管の取り回しや配管の変更、修理作業などで広く使用されています。以下に、重ね継手に関する詳細な情報を提供します。

●目的と用途:
・柔軟な配管設計: 重ね継手は、水道パイプの取り回しや設計に柔軟性を与えます。異なるサイズや形状のパイプを連結することが可能です。
・配管の変更や修理: 配管工事や修理作業において、既存の水道管に新しいパイプを簡単かつ迅速に追加するために使用されます。
●種類と構造:
・スリーブ型重ね継手: パイプ同士をスリーブ（被覆管）で覆うように継ぎ合わせる継手です。スリーブは通常、金属やプラスチックなどで作られています。
・クランプ型重ね継手: パイプ同士をクランプで締結し、密封する方式の継手です。クランプはボルトやナットで固定され、防漏性が高い特長があります。
●使用材料:
・金属製重ね継手: スチールや銅などの金属製の重ね継手は、強度があり、高い耐久性を持っています。屋外や高圧の環境にも適しています。
・プラスチック製重ね継手: PVC（塩ビ）やPE（ポリエチレン）などのプラスチック製の重ね継手は、軽量で取り扱いが簡単であり、腐食に強いという特長があります。
●取り付けと接続手順:
・パイプの切断: まず、接続したい位置で既存のパイプを切断します。切断面は平らでなければなりません。
・スリーブまたはクランプの取り付け: 重ね継手のタイプに応じて、スリーブを被せるか、クランプを取り付けます。スリーブを被せる場合は、しっかりと被覆管がパイプにかぶさるようにします。
・継手の接続: パイプ同士を継手に挿入し、クランプを締結するか、スリーブを位置に合わせます。しっかりと接続されるように確認します。
●利点とメリット:
・柔軟性と取り回しの容易さ: 重ね継手を使用することで、異なるサイズや形状のパイプを簡単に接続し、配管の設計を柔軟に行うことができます。
・迅速な修理と変更: 既存の配管に変更が必要な場合や修理が必要な場合、重ね継手を使用することで迅速かつ効率的に作業が行えます。
・防漏性: 正しく取り付けられた重ね継手は、しっかりと密閉され、漏水のリスクを低減します。
●注意点と課題:
・材料の選定: 使用環境や圧力に応じて適切な材料の重ね継手を選定することが重要です。
・正確な取り付け: 重ね継手の取り付けは正確さが求められます。不適切な取り付けは漏水や接合部の強度低下を引き起こす可能性があります。
・法規制の遵守: 地域や国によっては、特定の材料や方式の使用が法規制によって制限されている場合があるため、これに注意する必要があります。

重ね継手は水道工事において頻繁に使用される便利な継手であり、適切な選定と正確な取り付けによって、配管システムの効率性と信頼性を向上させることが期待されます。